大学時代に「オーラ大会」というのが仲間うちで流行ったことがあって、
「見える見えるー!」
ってはしゃいでるヤツの横で「全くみえません、こんなものウソです」って後輩もいたりして、それなりに盛り上がっていたんですよね。
その中で、オーラを自在に操れると言い出した友人がいまして、そいつに言わせると
「色も変化させることが出来る」
ということなんですよ。
実際、そいつはちょっと人間離れしてるところがあって、例えば3日3番徹夜でマージャンしたあとに1時間の仮眠だけでバイトにいけるとか、夏休みの間で40キロ減量したりとか、外国のウイスキーを飲んで「ブレンダーが変わったけど、採取する水源の場所も変えてるな」とか言い出したりとか、まーなにせ宇宙人的なヤツだったわけですよ。
でも、さすがに
「オーラの色を変える?それはウソじゃねーの?」って思ったのでフォローするために
「じゃあ日を改めて、お前の下宿で実験する?」
とか話を振ってあげたんですよ。親心ですよ、武士の情けですよ。
それなのに、あぁそれなのに、あろうことか
「いや、今やる」
その御仁はノタマワレタのです。まったく人の気もしらないで!
前述の後輩なんかはもう完璧にしらけてて
「じゃあ、そのオーラとやらで、僕にも見えるようにしてくださいよ」
とか言い出す始末。なのに
「いいよ」
ズルッ。本気かよっ!
もうギャグにも出来ない雰囲気バリバリの中、そいつが
「右手の人差し指見てて」
と言った瞬間、7色の光が天井に向かってスーッと伸びていく光景が・・・
一同、ラリラリキメキメのジャンキーみたいに、ポカーンと口をあけたまま、ただただ見つめることしか出来なかったんです。
さらに
「オレンジ」
そいつが言葉にするとオレンジに、
「グリーン」
グリーンに。
「ちょっと曲げてみる」
蛇行を始める光のライン。
そんな中、僕は冷静になってきて
「あー、やっぱり本物って存在するのかー」
って考えていたんですよね。
ふてくされてた後輩もバカみたいに見いってるし、他のヤツらも違う世界いっちゃってるので、僕は「もうそろそろいいよ」って目配せを本物くんにして強制終了させたんです。
もう、その後は誰も何も言わずに自然解散になってしまったんですが、あのなんとも形容しがたいあの場の空気感だけはいまだに忘れないですね。
それからはオーラがどうとか言い出すこともなくなり、また違う興味対象をさがす日々に戻っていったんですが、僕が思うに「不思議なことは不思議なままおいておくほうが幸せなこともある」んじゃあないかなと。
ウソだホントだとワイワイ言ってるほうが楽しいこともあるんだと知ってしまった、そんな夏をすごしたのでした。
ちなみに、その本物くん。今はすごく大きい会社の社長さんです。ベンチャー長者(笑)
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